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問題社員解雇

問題行動のある社員を解雇する際に注意すべきポイント

会社にとって、問題行動のある社員は頭痛の種です。辞めさせるには最終的に解雇するしかありません。

会社が従業員を解雇するときにはトラブルが起こりやすいので、対応に注意が必要です。
以下で、問題行動のある社員を解雇する際に注意すべきポイントについて解説します。

まずは改善指導を行い、証拠を残す

会社が従業員を解雇しようとするとき、自由にできるものではありません。
解雇ができるケースは、法律上非常に限定されているからです。

問題行動がある従業員がいるなら、まずは従業員に対し改善のための指導を行う必要があります。そうした努力があっても改善しない場合に、はじめて解雇が認められるからです。

いったん書面で注意書を送り、3ヶ月程度様子を見ましょう。その間の従業員の行状や勤務態度を観察し、書面などの証拠を残しておくことが必要です。

それでも改善が見られなければ、けん責や減給などの解雇以外の懲戒処分を実施します。
その後、さらに勤務態度を観察します。その間の注意内容や相手の反応、勤務態度についても、記録を残しておきましょう。

そうしても改善ができない場合、ようやく解雇を検討することとなります。

退職勧奨を行う

次に、解雇前の退職勧奨を行うべきです。
解雇をすると、従業員から「不当解雇」と主張されてトラブルに発展する可能性がありますが、円満に退職してもらえたら後のトラブルを避けることができます。

従業員が懲戒事由に該当しているケースでは、「このままだと、懲戒解雇になる。そうなったら退職金も出なくなるから、退職を受け入れた方が得になる」ということを伝え、退職を受け入れるよう説得します。

普通解雇か懲戒解雇かを検討する

従業員が退職勧奨に応じない場合には、いよいよ解雇をするしかありません。
このとき、普通解雇か懲戒解雇を選択する必要があります。
就業規則に懲戒に関する規定があり、従業員の行動が懲戒事由に該当する場合には懲戒解雇をすることができます。

懲戒解雇をするときには、労働基準監督署に届出をして認めてもらうことにより、解雇予告や解雇予告手当の支給が不要になります。

解雇権濫用にならないか検討する

相手が問題行動のある社員であっても、必ずしも解雇が有効になるとは限りません。
法律上、解雇権濫用になる場合には解雇が無効になると定められています。

解雇が有効になるためには、解雇に合理性と社会的相当性が必要になります。
解雇の合理性(合理的な理由)とは、誰が見ても辞めさせられても仕方がないと思えるほどの理由です。

社会的相当性(社会通念上相当)とは、社会一般的に納得できる理由です。
再三にわたって注意されたり、配置転換が試みられたりしたにもかかわらず、改善の意思が見られない場合などに認められます。

たとえば、5年にわたって業務指示違反を繰り返し、会社側も改善に向けて教育・指導を継続してきたけれども改善ができなかった場合に解雇が認められた事例があります(東京高裁 平成25年3月21日)。

解雇権濫用にならないことを確認してから解雇の手続を進めましょう。

以上のように、問題のある従業員を解雇しようとするとき、まずは解雇のための準備から進めていく必要があります。

自社では適切な判断が難しい場合には、弁護士にご相談ください。

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