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不当解雇解説

試用期間中の解雇は不当?

会社に就職するときには、本採用前に「試用期間」がもうけられることがあります。

試用期間中に解雇されてしまったら、それは不当解雇にならないのでしょうか?

一般的には、試用期間なら解雇は自由にできる、というイメージもありますが、そういうわけではありません。

今回は、試用期間中の解雇が不当解雇になるのかどうかについて解説します。

試用期間の法的性質

本採用になった場合には、会社と労働者の間で労働契約を締結します。

すると、会社はそう簡単には労働者を解雇することができません。
解雇は労働契約関係を一方的に破棄することですが、正当な事由がない限り会社都合で契約を終了させることは認められないためです。

試用期間は正式な雇用契約が締結されていませんが、何らの契約関係もない状態とは異なります。この場合、「解約権留保付労働契約」が締結されていると考えられています。

つまり一応、労働契約は成立しているけれども、会社の側に「問題がある場合には解約できる」権利がついているということです。

そこで、試用期間終了時において、会社がこの解約権にもとづいて本採用を拒否することが可能です。

試用期間中の解雇でも解雇予告が必要

試用期間中に解雇をする場合であっても、労働基準法の適用があり、解雇予告や解雇予告手当が必要になることが多いです。

解雇予告・解雇予告手当の取扱いについては、解雇するまでの日数によって異なります。

試用期間中であっても、勤続日数が14日以上になっている場合には、通常の解雇と同様に、解雇予告または解雇予告手当が必要となります。

これに対し、試用期間中の勤続日数が13日以下の場合には、解雇予告または解雇予告手当は不要です。

試用期間中でも解雇権濫用の法理が適用される

試用期間中に解雇を行う場合であっても、自由にできるわけではありません。会社と労働者との間には解約権が留保されているとはいえ、労働契約が成立しているからです。

そして、この場合にも解雇権濫用の法理が適用されます。

つまり、解雇が認められるためには、解雇の客観的な合理性と社会通念上相当であることが必要です。

ただし、試用期間中の場合には、解約権が留保されていることもあり、解雇の合理性と相当性について、通常の解雇よりも緩やかに判断されています。
試用期間終了後の本採用拒否の場合も同じです。

最高裁判所も、「留保解約権にもとづく解雇は、通常の解雇と同じに論じることはできず、より広い範囲で解雇の事由が認められる」と判示しています(三菱樹脂事件昭和48年12月12日)。

ただ、緩やかに判断されるというだけで、合理性や相当性のない解雇が無効になることに変わりはありません。試用期間中の解雇を無効と判断した裁判例もあります。

たとえば、東京地裁平成21年10月15日判決では、病院の事務職の女性が、能力不足によって試用期間中に解雇された事例において、解雇を無効と判断しています。

以上のように、試用期間中の解雇も不当解雇となる可能性があります。

会社の対応に納得できない場合には、一度弁護士にご相談ください。

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