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不当解雇解説

不当解雇に関する労働審判の流れ

勤務先から解雇を申し渡されたとき、納得できなければ「不当解雇」と主張して、争える可能性があります。

そのとき「労働審判」という裁判手続きを利用する方法が考えられますが、労働審判とは具体的にどのような手続きなのでしょうか?

今回は、不当解雇されたときの「労働審判」の手続きの流れについて、解説します。

労働審判とは

労働審判とは、労働者側と使用者側の労働トラブルを解決するための裁判所における手続きです。

労働訴訟よりも迅速かつ柔軟にトラブル解決を目指せる点がメリットで、労働審判を利用すると、だいたい2か月半程度で最終的な結論に達することができます。

また、話し合いを中心とした手続きなので、労働訴訟と比べて一般の方にもハードルが低く、利用しやすいです。

労働審判の流れ

労働審判の流れをみていきましょう。

申立

労働審判を利用したいときには、まずは地方裁判所に労働審判の申立をする必要があります。

管轄の裁判所は、基本的に会社の営業所や勤務場所を管轄する地方裁判所です。

申立書を作成し、必要な金額の収入印紙と郵便切手とともに提出すると、手続きができます。

裁判所で労働審判の申立が受け付けられると、労働審判官と専門の労働委員が選任されて、担当の労働審判委員会が組織されます。

労働審判の申立の際には、必ず不当解雇であることを示す証拠も用意しておきましょう。

労働審判では、当初話し合いの方法によって手続きが進んで行くので、証拠の提出が必須でないと思われることがありますが、実際には提出された証拠の内容を前提にして調停案が提示されますし、審判になったときには、証拠がないことは認められないからです。

第1回労働審判期日

労働審判の申立をすると、原則として40日以内に第1回労働審判期日が指定されます。

そして裁判所から会社側へ、期日の通知書と労働審判申立書、労働者側から提出された証拠が郵送されます。

その後、期日までの間に企業側から答弁書や証拠が提出されます。

そして、第1回労働審判期日が開かれます。

期日では、申立人と相手方それぞれが提出した書面や証拠内容を確認し、時間に余裕があれば労働員の仲介により、話し合いを進めます。

1回目で双方が合意すれば、調停によって解決できます。

1回の労働審判期日にかかる時間は、1時間半~2時間程度です。

第2回労働審判期日

1回では話し合いが成立しなかった場合には、労働審判の手続きが2回目以降に持ち越されます。

2回目の労働審判期日は、1回目から2~3週間ほど先に指定されるケースが多いです。

2回目以降の期日では、引き続いて労働者側と企業側の話し合いの手続きが進められます。

このとき、双方の主張内容や提出された証拠を踏まえて、労働審判委員会から、調停案の提示が行われます。

双方が調停案を受諾すれば、調停が成立して労働審判が終了します。

第3回労働審判期日

2回目の労働審判を開いても和解が不可能だった場合には、3回目の労働審判期日が開かれます。

労働審判の期日は3回までなので、3回目の期日でも合意ができなかった場合には、手続きは「審判」に移行します。

審判

審判手続きに移行すると、審判官がこれまで当事者が提出した書面や証拠、話し合いの経過などをもとにして、最終的な決定(審判)を下します。

双方が審判結果を受け入れれば、トラブルを解決することができます。

ただし労働審判の結果に対しては異議を出すことができます。

労働審判の審判書を受け取ってから2週間以内に当事者のどちらかが異議を出すと、労働審判の効力は失われ、訴訟へと移行します。

労働審判の最終的な解決率は8割を超えており、不当解雇問題を解決するために非常に有用な手続きと言えます。

会社から不当解雇されてお困りの場合、弁護士がサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談下さい。

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