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問題社員解雇

懲戒解雇はどんな場合にできるか?

従業員に非行がある場合、会社は懲戒解雇をすることができるケースがあります。

ただ、解雇は労働者に対する影響が大きい処分であり、問題があるからといって簡単に解雇できるわけではありません。

具体的にどのような場合に懲戒解雇が認められるのでしょうか?

今回は、懲戒解雇ができる場合について解説します。

就業規則に懲戒事由を定める

会社が従業員を懲戒解雇するためには、必ず就業規則に懲戒に関する規定をおき、その中に懲戒解雇事由を定めておく必要があります。

そして、懲戒解雇に該当する事実が確認できた場合にのみ懲戒解雇ができます。

懲戒に関する規定がなかったら、従業員にとって不意打ちになるので、いかに非行があっても懲戒解雇することができません。

懲戒規定の運用を厳格に行う必要がある

就業規則に懲戒解雇に関する事由を定めていても、会社が恣意的に適用できるものではありません。
そのような場合、懲戒権の濫用となり、解雇は無効になります。

たとえば、同種の事案では同じような処分をする必要があります。
同様の事案で以前に降格にしたのなら、今度は解雇というわけにはいかず、同じように降格しか認められません。

また、従業員が起こした問題と比べて解雇が重すぎると判断される場合には、社会通念上相当と認められないため解雇は無効となります。

懲戒解雇が認められるケースの例

社内で犯罪行為を行った場合

たとえば、社内で横領行為や傷害行為を起こして逮捕され、有罪判決を受けたケースなどです。

職場の風紀や規律を乱す行為によって、他の従業員に対し悪影響を及ぼす場合

たとえば、悪質なセクハラやパワハラ行為を行って他の従業員に迷惑をかけたり、常習的に酒気帯び運転をしたりして、会社が注意・指導しているにもかかわらず改善しないケースなどです。

故意または重過失によって会社に重大な損害を与えた場合

たとえば、社内の重要機密を漏洩したり、火災を発生させたりして会社に重大な損害を与えた場合には、懲戒解雇が認められるケースがあります。

連続して14日以上正当な理由なしに無断欠勤を続け、会社が出勤の督促をしても応じない場合

タイムカードや出退勤簿などがあることが前提ですが、連続して14日以上正当な理由なしに無断欠勤を続けると懲戒解雇が認められます。

遅刻・欠勤が頻繁で会社側が何度注意をしても改まらない場合

遅刻や欠勤については、その程度が相当頻繁で業務に支障が発生していなければ懲戒解雇はできません。

採用の前提となる経歴詐称をした場合

採用や入社後の処遇について、前提となるような重要な情報を詐称していた場合には懲戒解雇が認められやすいです。

競業避止義務違反をした場合

会社の業務と競業するような仕事を外で行った場合には、懲戒解雇の事由となります。
ただし、軽いアルバイト程度では解雇が認められないこともあり、会社の業務に支障が発生するかどうかが判断基準となります。

社外の行動によって会社の名誉や信用を著しく傷つけたり、業務に重大な悪影響を及ぼしたりした場合

プライベートな事由でも、著しい悪行があると懲戒事由となります。
たとえば、社外での痴漢行為、飲酒運転での死亡事故、覚醒剤の所持使用、窃盗や詐欺、恐喝、放火、殺人などのケースです。

以上のように、懲戒解雇が認められる場合は、比較的限定されています。

個別のケースによって異なる判断が必要なので、迷われたときには弁護士にご相談ください。

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