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問題社員解雇

経営が傾いているため社員を解雇しないと存続ができないが、どのような手順を取ればよい?

会社経営が傾いてきたら、会社を存続させるためにリストラをしなければいけないことがあります。リストラのことを「整理解雇」といいますが、整理解雇も、やみくもに行うと無効になってしまうおそれがあります。

そこで以下では、整理解雇ができる場合と実施する手順を解説します。

整理解雇とは

整理解雇とは、業績不振に陥った会社が存続するために行う解雇です。いわゆるリストラのことで、通常は複数の従業員を同時に解雇します。

会社が人員削減を行いたい場合、まずは希望退職を募ることが多いですが、それでは足りない場合に整理解雇が行われます。

整理解雇ができる場合

整理解雇は、どのような場合でも認められるものではありません。

ただ、一般の普通解雇の解雇権濫用法理とは異なる基準で有効性が判断されます。
整理解雇の有効性を判断するとき、以下の4つの要件が基準となります。

人員削減の必要性

必要性がなければ整理解雇が認められないのは当然です。
この点において、人件費の割合が高く、利益が出ない状態に陥っていた企業において、人員削減の必要性が認められたケースがあります(静岡地裁平成16年5月20日)。

解雇回避のための努力

配置転換や出向、希望退職の募集など、会社が整理解雇を回避するために努力をしたことが必要です。

人員選定の合理性

所属部署や担当業務、年齢、家族構成、成績や会社への貢献度などを考慮して公正に解雇の対象となる人員を選定する必要があります。

手続きの相当性

労働組合や労働者に対し、整理解雇の必要性や実施時期、方法等を説明し、誠実に協議や交渉をしておかないと整理解雇は認められません。

整理解雇の実施手順

整理解雇を行うときには、以下の手順で進めていきましょう。

解雇を回避するための努力をする

まずは、解雇を回避する努力が必要です。できるだけ希望退職を募り、解雇しないで済むようにしましょう。

人員を選定する

どうしても整理解雇が避けられない場合、人員の選定が必要です。対象として誰が適切なのか慎重に検討しましょう。

解雇による打撃が少ない独身者や、能力が低い労働者、採用してから日が浅く会社への貢献度が低いものなどを選んでいきます。「労働組合に入っている」、「女性である」ことなどを理由にしてはいけません。

労働組合や労働者と協議する

そして、労働組合や労働者に対し、整理解雇することを通知して協議を行います。
労働組合や労働者の理解を得られないと、手続きが不相当ということになって解雇が無効になってしまうので注意が必要です。

解雇予告・解雇予告手当の支給をする

また整理解雇でも、解雇予告または解雇予告手当が必要です。
解雇の実施日を決定し、解雇予告通知を送ります。
もし、30日より前に解雇をしたいならば、30日に足りない日数分の解雇予告手当を支払う必要があります。

退職金を支給する

さらに整理解雇の場合、退職金を支払うことが多いです。
退職金は上積みする必要はありませんが、会社都合で解雇するので優遇することも多いです。

上積みをするときには、その基準を明確にして対象者間で不公平にならないようにすべきです。

以上のように、整理解雇を行うときには普通解雇とは異なる基準で判断され、進める手順も異なります。

妥当な方法がわからない場合には、弁護士に相談してみてください。

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